「感無量…またひとつ人生のBluesが…」 |
「感無量…またひとつ人生のBluesが…」
プチ旅行気分からの帰宅中、俺の住む街の駅前にあるタ*さんの家が解体作業中だった……別に実名ぢゃない渾名を出しても問題なかろうが一応伏字にする。
タ*さんは一年年長の要するに街のワル、番長的存在だった……昔で言う不良頭だな。無類の音楽好きでまるで漫画に出て来る様な典型的昭和のど田舎の大将だった。
全ジャンルで目立つ後輩は漏れなくボコボコにされてた筈だが何故か俺は可愛がってくれた。
俺 :「タ*さん!エレキとフォーギターはチューニングも何もかも違うんすよね?」
タ*さん :「バッキャローあたりめーだろ?」
は生涯忘れない……
上京以降、彼に再会したのは何とNHKの101スタである。俺はとあるレコード歌手のバックバンド、タ*さんは大手機材リース会社の社員?バイト?だった。
NHKで郷里の人間にしか呼ばない俺の実名をイキナリ呼ばれ驚いたのを良く覚えている。タ*さんも信じられないって顔してたな(わら)
その後全く出会う事無く丁度10年程前、この小さな街の夏祭りの日の夜、タ*さんの家の前に一人佇む彼の姿を見たのが最後だ。その時のタ*さんはまるで水を得た魚の様にとても生き生きしていた……そう、全てが昔のままだったのだ……でも俺は何故か声をかけずに通り過ぎた……。
いま俺は、その事を物凄く後悔している。また人生のBluesが一曲加わったな……。



